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ビットコインが112,000ドル突破―急騰の背景とは?
Jul 11, 2025 5:59 AM

貿易摩擦が激化する中、ビットコイン価格は過去最高値を更新

ビットコインが112,000ドル突破:2025年は年初来20%上昇

出典:TradingView。すべての指標は米ドル建てのトータルリターンです。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。2025年7月11日時点のデータ。

ビットコインは2025年年初から約20%上昇し、7月9日に112,000ドルを突破しました。これは機関投資家の関心の高まりとリスク選好の強まりによるものです。7月11日時点では117,745ドル付近で取引されています。

簡単にまとめると:7月9日、ビットコインはついに初めて112,000ドルを突破しました。1日で約3%上昇し、年初からの上昇率は20%近くに達しました。暗号資産や市場全体を見ている人々にとって、これは大きな出来事でした。特に、トランプ前大統領が新たな関税を発表し、世界的な貿易摩擦が注目を集めた週だったことを考えると尚更です。

なぜ今なのか?

いくつかの要因が重なりました。まず、テクノロジー株、特にNvidiaが大きく上昇し、一時は時価総額4兆ドルを突破しました。リスク選好が高まったことで、暗号資産市場にも好影響がありました。次に、多くの機関投資家やファンドが最近ビットコインを買い増ししています。7月だけで10億ドル以上が現物ビットコインETFに流入したのです。

さらに、取引活動も価格上昇を後押ししました。ビットコインが重要な価格帯を突破したことで、ショートポジションを持つ投資家が一斉に清算されました。2億~2.8億ドル相当のショートが清算されたとされています。このような強制的な買い戻しは、相場の上昇を加速させることが多いです。さらに、115,000ドル、あるいは120,000ドルを目指すという見方も多く、強気なムードが続いています。

マクロ経済の背景は?

皮肉なことに、ビットコインの急騰はトランプ前大統領が新たな関税を発表したタイミングと重なりました。マレーシア、南アフリカ、日本などがより高い関税の対象となり、通常なら市場が動揺するはずの状況です。しかし今回はそうなりませんでした。株式市場は上昇を続け、ビットコインもほとんど影響を受けませんでした。

多くの投資家は、ビットコインをインフレ対策だけでなく、政治的な不確実性や突然の政策変更に対する「安全ネット」としても捉えているようです。FRBが利下げの可能性に言及し、米国の債務問題も懸念される中で、政府や中央銀行の影響を受けにくい資産への関心が高まっています。

誰がこの動きを主導しているのか?

個人投資家だけでなく、ヘッジファンド、ETF、企業の財務部門などの機関投資家がこの動きを牽引しています。さらには、トランプ氏のメディア企業がビットコインETFを計画しているという話まであります。皮肉にも思えますが、それだけ暗号資産がメインストリームに定着した証拠とも言えるでしょう。

あるアナリストは「今回は機関投資家が主導する初の本格的な強気相場」と述べています。実際、データもそれを裏付けています。個人投資家が一部利益確定をする一方で、大口の機関投資家は今なお市場に参入し、供給を吸収しているのです。

では、今後どうなるのか?

現在の市場ムードは依然として強気です。短期的に$120,000、年末までに$150,000を目指すという声もありますが、それはマクロ環境が好調であることが前提です。もちろん、注意点もあります。レバレッジが多く使われている今の相場では、わずかなセンチメントの変化でも急落につながる可能性があります。

とはいえ、ビットコインが112,000ドルを突破したという事実は、世界的な不確実性が渦巻く中で大きなマイルストーンと捉えられています。ある意味、この混乱こそが価格を押し上げる力になっているのかもしれません。